【ハチミツとクローバー】漫画版・あゆは片思いの代弁者。ピュアは抗いがたい魅力
「登場人物全員が片思い」
片思いは苦しい。
片思いはみじめだ。
片思いは怖い。
でも、
片思いは美しい。
誰もが経験したことのある
ほろ苦くて胸がしめつけられるような気持ちを
繊細なモノローグと人物描写で
やさしく描いた青春漫画の名作
『ハチミツとクローバー』
主人公たちの年齢をはるかに超えた今だからこそ、
気づいたことがありました。
漫画・ハチクロのヒロインのひとり
「あゆ」の魅力解説を通じて
ハチクロのすごさを徹底解剖します!
※注意※
この記事は全10巻+未収録エピソード集までのネタバレを含んでいます!
- 「あゆ」の3つの魅力
- あゆ名言集
- 「顔に出る」とモテる理由
作品概要
作品名 | ハチミツとクローバー |
---|---|
作者 | 羽海野チカ |
出版社 | 宝島社・集英社 |
掲載誌 | CUTiEcomic→ヤングユー→コーラス |
発表号 | 2000年6月号 |
巻数 | 全10巻 |
- 出典:Wikipedia
あらすじ:
美術大学を舞台に、恋愛に不器用な学生達の報われない恋模様や、自分の才能や生き方について迷う若者達の姿を描く「青春群像劇」。
- 出典:Wikipediaより抜粋・再編
作品実績
『ハチミツとクローバー』(以下“ハチクロ”)は、2005年にアニメ化、2006年に実写映画化、2008年にテレビドラマ化、同年に台湾でも実写化された人気作品です。
アラサーの私にとって「青春群像劇」と言えば
ハチクロかオレンジデイズかってくらい憧れた
今でも心に残る名作。
原作漫画は多くの賞を獲得しており、
シリーズ累計発行部数850万部(2008年3月時点)を突破しています。
- 第27回講談社漫画賞少女部門
- 「このマンガがすごい!2006」オンナ編 1位
- 「このマンガがすごい!2007」オンナ編 1位
作者の羽海野(うみの)先生は、『ハチクロ』後に手がけた
『3月のライオン』もアニメ化・実写化となり、原作は多くの賞を受賞しています。
『ハチクロ』自体は、小学生の頃に読んでいたんですが
「自分もいつかこんな恋愛するのかなぁ〜」と
ワクワクしていました。
こんな眩しくてヒリヒリする恋愛は
無かったんですけどね。
『ハチクロ』は
風景描写も印象的で
私たちがもがき、生きていく中でも
不変のものがあることで
過去をつなぎとめ、前に進めるんだと思いました。
ふるさとの景色を見て
あの頃の日々を思い出すような
ノスタルジーが視覚化した作品です。
ヒロインプロフィール
山田 あゆみ(やまだ あゆみ)。愛称あゆ。美術大学の陶芸家専攻。
同級生の真山(まやま)に片思いをしている。理想的なプロポーションで美脚美乳の持ち主。その美貌で自覚の無いまま男性陣を独り占めにし、あげく酔った勢いでぶち壊しにする事から「合コンの破壊神」、体力があることから「鉄人」などの異名がある。
- Wikipediaより
ハチクロのキャッチコピーが
「登場人物全員が片思い」というならば
片思いの象徴的な人物が、あゆです。
抜群のプロポーション・美貌に恵まれながら
長年片思いをしている真山には振り向いてもらえない。
でもそんな素直さがあゆの最大の魅力なので
ここで語らせてくれ!!
相関図
主な登場人物です。
今回メインで取り上げるあゆを取り巻く関係に絞りました。
あゆに思いを寄せ・寄せられる男性陣をご紹介。
【真山 巧(まやま たくみ)】
あゆと同級生で1歳上(浪人のため)。面倒見がよく優しい。アルバイト先で出会った理花に片思いをしており、その行動はストーカーそのもの。クールに見えて青臭いところを全面に出してくるので、野宮に「青春スーツ」と陰で揶揄されている。
【野宮 匠(のみや たくみ)】
真山の会社の先輩(後に真山は退社し理花のところへ)。仕事ができ、笑顔でゴリ押す・人使いの名手。非常にモテ、これまでは女性に対してもドライだったが、あゆに興味を持ってからは自分でも予測不能なほど彼女に振り回されている。
余談ですが、映画化した時に
真山が加瀬亮だったんですよ。
キャスティング天才か?
100真山じゃん・・
あゆの魅力
あゆは見た目も美しくスタイルも抜群ですが
最大の魅力はその内面。
【あゆがモテる理由】
- 感情豊か&顔に出る
- 素直で人想い
- 何事にもまっすぐ
理由を解説していきます!
▽▽▽
1. 感情豊か&顔に出る
あゆはモデルのような見た目とは裏腹に
感情表現は小学生のよう(=ピュア)です。
笑うのも、怒るのも、泣くのも
思い切り顔に出すから周囲も対処しやすい。
顔に出すぎて嘘がつけないところが
野宮もほっとけないところであり
恋愛に関してはスマートでドライだった野宮も
(仕事中に電話してきた女性が面倒で海に携帯を投げ捨てた)
ボロボロになりながらも
真山への想いの置き場所を探し続けるあゆに対して、
辛抱強くそばで支え続けます。
後に、野宮はあゆの好きなところを
「全部カオに出ちゃうとこ」と言っています。
ただでさえ恋愛って、
相手の一挙手一投足が気になりますよね。
かっこわるいところを見せたくないし
何かしてあげた時の反応も気になる。
あゆが真山を想う姿は誰の目にも明らかで
来る者拒まず・去る者追わずだった野宮は
一途なあゆに興味を持ちます。
真山の幸せを願うなら諦めなければと
苦しむあゆに揺さぶりをかけながら、
あゆの、野宮に対する気持ちの変化があることも
すぐに気づけます。(顔に出るから)
そんな様子はほっとけないし、
頑張りがいがあるってもんです。
ミステリアスな女性は興味を惹かれますが
最終的に心を開いてくれている様子に
男性も安心し、守りたくなります。
2. 素直で人想い
1ともかぶりますが、あゆはとても素直。
自分の気持ちに素直で、
愛情表現も素直。
自分の就職が決まらなくても
真山の内定祝いに心底喜べる。
ケガをした親友のはぐに対して
はぐが背負うものの大きさに
「自分ができることは無いのでは」と葛藤しながらも
野宮に背中を押され、支えることを決心します。
誰かの幸せ・悲しみを
自分のことのように受け止める。
真山に対して一途に向き合い続けたあゆは、
人との関わり方も一途です。
自分が傷ついても、
感情を外に出しながら
向き合えるのはあゆの強さです。
3. 何事にもまっすぐ
感情・想いもまっすぐですが
物事への取り組み方も、まっすぐで一生懸命。
大学卒業後は研究室に残って
陶芸の作品づくりをつづけますが
真山の紹介で、
真山の会社(藤原デザイン事務所)の納品物としても
作品の依頼を受け始めます。
仕事はどんどん広がり、
藤原デザイン事務所のストックとして
継続購入に至るだけでなく
真山の想い人・理花(原田デザイン事務所)からも
依頼を受けるようになります。
藤原デザイン事務所も、原田デザイン事務所も
業界では名の知れた有名どころです。
そこで継続的に依頼を取れるのは
作品づくりに真摯に向き合う姿と
それによって生まれる丁寧な仕事ぶりからです。
あゆがモテる理由まとめ!
- 感情豊かでわかりやすい
- 顔に出るからほっとけない
- 愛情表現が素直
- 人との関わり方が一途
- 仕事にもまっすぐに取り組む
あゆ名言集
わざと用を作っては会えそうな場所を何度も通った。ほんの少しでも姿が見たくて声がきけたらと思って
本当に好きなら幸せを祈れるはずなのに、私はさっき車の中で言われた通りほんとは……こわれちゃえばいいってずっと…ずっと…。自分の幸せを願うということは、自分じゃない誰かの不幸せを願うこととオモテウラのセットになっている時があって。だとしたらじゃあ私はいったい何を祈ればいいんだろう
人から見たら、どんなに情けなくても、みっともなくても、彼を思うこの気持ちが、そのたった一つが、冷たくて明るい私の宝物だった。
ずっと真山を想って泣いてたかった。10年でも20年でもずっと好きでい続けて、どんなに好きか思い知らせたかった。そんなことに意味がないのも分かってた。でも止められなかった。
まとめ
大人になると、
あゆのように無防備でまっすぐでいられることって
どんどん少なくなっていきます。
「自分の身は自分で守らなければ」
「オトナなんだから自分で頑張らなきゃ」
でも、
大人でも出来ないことはまだまだあるし
泣きたいことも怒りたいこともたくさんある。
感情を押し殺すのが
「大人になる」ってことではない。
むしろ、伝えなければ
周りもどうしたらいいか分からない。
取り繕わなければいけない場面が多い大人だからこそ
垣間見えるホンネには、体温が灯る。
社会は人と人の繋がりだから
想いを伝えられる勇気がある人は
自然と人を引き寄せていくと思うのです。
おわり。
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