【失恋ショコラティエ】漫画版・サエコさんはなぜモテる?10年溺愛される秘訣
ぽわっとして守りたくなる雰囲気の裏に隠された
リアリスト&戦略的な一面をあわせ持つ
マンガ『失恋ショコラティエ』のメインヒロイン「サエコさん」を取り上げます。
石原さとみがドラマでヒロインを演じたことでも
話題になった同作品ですが、原作でのサエコさんは
弟子入りしたくなるほど
対人関係構築力に長けています。
※注意※
この記事は既刊9巻までのネタバレを含んでいます!
- 顔が普通でも爆モテする理由
- 10年恋される秘訣
- 対人関係で重要な「観察力&気配り」のコツ
作品概要
作品名 | 失恋ショコラティエ(しつれんショコラティエ) |
---|---|
作者 | 水城せとな |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 月刊フラワーズ |
発表号 | 2008年2月 |
巻数 | 全9巻 |
出典:wikipedia
あらすじ:
小動爽太(こゆるぎそうた)は、チョコレートが大好きな憧れの先輩サエコ(高橋紗絵子)に告白し、OKをもらう。しかし、付き合っていると思っていたのは爽太だけだった。傷心の爽太は製菓学校を卒業後フランスに渡り、ただサエコを振り向かせたい一心で修業に励んできたが、帰国後再会したサエコはすでに他の男との結婚が決まっていた…
出典:wikipediaより抜粋
作品実績
『失恋ショコラティエ』は、2014年に松本潤・石原さとみ主演でTVドラマ化もされた人気作品で、当時石原さとみ演じるサエコさんが「可愛すぎる!」と話題になりました。
原作漫画は「第36回講談社漫画賞(「少女部門」)」「第2回ananマンガ大賞」を受賞し、累計発行部数120万部(2014年3月時点)の話題作です。
作者の水城せとな先生は、『失ショコ』以外にも
『脳内ポイズンベリー(2015年)』『窮鼠はチーズの夢を見る(2020年)』
の二作品が映画化されているヒットメーカーです。
※カッコ内の数字は映画公開年
水城先生の漫画は、人間関係の駆け引きや
綺麗事だけじゃないリアルな心理描写に惹き込まれます。
ヒロインプロフィール
吉岡 紗絵子(よしおかさえこ、旧姓:高橋)。26歳。
爽太の高校の1年先輩。恋愛経験豊富だが、顔は普通。
※年齢はコミックス1巻時点
ドラマで石原さとみが演じているので勘違いされがちですが
原作のサエコさん、顔は普通です。
(めちゃくちゃ可愛いってわけじゃない)
でもモテます。
色んな女友達から恋愛相談されているシーンも何回も出てきます。
サエコさんのモテ偉業
- 主人公の爽太は高校時代から10年以上も想い続けている
- 高校時代は「各学年の一番のイケメン」と次々付き合ってきた
- もちろん他校のイケメンとも付き合っていた
- 結婚前、旦那さん候補が2.5人いた
相関図
主な登場人物です。
サエコさんと主人公の爽太を取り巻く人間関係に絞っています。
爽太がサエコさんを想って5年間もパリで修行している間に
サエコさんはサクッと他の男性と結婚しています。
旦那さんは、バツイチ・12歳年上の
大手出版社のグルメ雑誌の副編集長です。
(この辺のスペックにも抜かりなし)
爽太の同僚・薫子さんは美人で仕事もでき、
パリ帰りの洗練された爽太に恋をしてから
密かにずっと思いを寄せています。
他にも、知人の誕生パーティで知り合った
モデルのえれなとは「片思い同盟」を組んで慰め合うなど
爽太もモテています。
でも、爽太が恋い焦がれるのはサエコさんなんです。
ここからは、
なぜサエコさんはモテるのか?を
図解も使って説明します!
サエコさんがモテる理由
サエコさんは男に爆モテするので
さぞかし女に嫌われているだろうと思いきや(偏見)
意外と女友達が多いんですよね。
(学生時代は妬まれてたけど、学生って自意識の塊なのでそんなもんですから)
サエコさんの凄さは「モテ力」だけじゃなくて、
対人関係においての「勘の良さ&気配り」が
老若男女問わず出来ているから。
サエコさんがモテる6つの理由はずばりコレだ!
男性と女性でサエコさんの気配りが
響いているポイントは違うので、
順番にご説明します!
〜対男性編〜
【サエコさんが男性にモテる理由】
- 夢を見せる
- 信頼を寄せる
- 前向き
理由を解説していきます!
▽▽▽
1. 夢を見せる
・肝心なことは口にしない
・明るくてメルヘン
サエコさんは男性の前で、いつも笑顔で明るいです。
爽太のお店が日本でオープンした時も
「毎日ここで暮らしたいな♡」
と発言しちゃうくらいメルヘンです。
でも、喜んだり褒めたり相手を立てることは
惜しみなく言葉にするのに
自分の本心は隠したまま。
(正確には、話す相手を選んでいる)
爽太の前では愚痴は言わずにぽろっと弱音を吐くだけ。
それ以上踏み込ませない雰囲気をつくる。
しばらくお店に来ないと思いきや
ふらっと現れては泣きそうな表情で佇んでいる。
どうして欲しいか言葉にはしないのに
そこに爽太も翻弄される。
人間が持つ3つの心の働きとして
「知情意(知識・感情・意志)」があります。
知とは「知りたい」という欲求のこと。
分からないことを知る過程で
人は知識・経験を増やして成長していきます。
(赤ちゃんが興味を持ったものに触れるのと同じように)
歳を重ね社会へ出て対人関係が発生すると
「他者を知りたい」という欲求が生まれます。
相手との交流を通じて相手の心に触れ、
その反応を受けて、自分を知っていくのです。
人の欲望は、叶えられないほど渇望する。
喉が渇き、水が飲めない時ほど
頭の中は水でいっぱいです。
人間関係でも叶えられない欲求があると
相手のことで頭がいっぱいになるのです。
|参考:
秘密を知るためのもう一つの方法が愛である。(中略)
愛とは能動的に相手の中へと入っていくことであり、その結合によって、相手の秘密を知りたいという欲望が満たされる。
2. 信頼を寄せる
・仕事ぶりを褒める
・相手を受け入れる
サエコさんは周りによく気がつくので
女性の持ち物でも、お店の内装でも、チョコの感想でも
良いところは積極的に口に出して伝えます。
それだけではなく、
爽太の仕事=チョコに対して信頼を寄せ、
真摯に向き合っています。
きっとまたあたしのツボをズバッと突いてきてくれるんだろうな。あたし全面的に信頼してるんだ、爽太くんのこと・・・
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス1巻
(余談ですが)
↑このセリフを言っているのが
「なんで旦那さんと結婚したの?」という
爽太の問いに答えた直後だから凄い。
他の男性との馴れ初めを言いつつ
目の前の相手をストレートに褒めるって
とんだ小悪魔では?(尊敬)
自分の仕事ぶりを認めてもらえていることを
爽太も理解しているので
恋愛で振り向いてもらえていなくても
仕事への活力に出来るのです。
俺のことは(恋愛の)対象外でも
俺の仕事はあの人のどストライクなんだって。
そこだけは俺にも
彼女の心を動かせる力があるんだって。
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス6巻
また、お店をオープンしたばかりで
「もっとお客さんに来て欲しい」
「たくさんいるショコラティエのライバルが気になってしまう」
弱気な爽太を
サエコさんは100%受け入れます。
「この店とか…俺にね、欠けてるものって何かなーとか考えてたらキリなくて」
「ないよ!欠けてるものなんて何もないよ」
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス2巻
その上で、さらに純粋な期待を寄せる。
「でも、これからいろいろ新しい何かが加わって変わっていくんでしょ?それが楽しみなんだ♡頑張ってね、あたしはずっとここに通うからね」
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス2巻
男性でも女性でも、
自分を肯定し受け入れてくれる存在は心強いです。
心の支えになり、そんな人にはそばにいて欲しい。
3. 前向き
・悪口を言わない
・人の良い面をよく見てる
サエコさんは人の悪口を言いません。
この後の女性編でも出てきますが、
むしろ人の変化や努力によく気づいて
褒めてくれます。
いつも人の良い面に目を向けられる
サエコさんの明るさやひたむきさに爽太も癒され、
一緒にいると幸せな気持ちになるのです。
〜対女性編〜
【サエコさんが女性にもモテる理由】
- リアリスト
- 行動力がある
- マメ&気遣い
理由を解説していきます!
▽▽▽
4. リアリスト
・現実主義&戦略家
・意外と合理的
男性編では「メルヘン」と書きましたが
対女性にはすごく現実的なんですよね。
地に足ついてる。
「旦那さんとはどうして結婚しようと思ったの?」
という爽太の問いに
「神様がそっと門を開けてこっちだよって教えてくれたんじゃないかな?」
というメルヘン発言をしていたのに
「(男性の気を引く)なんか秘訣とかないんですか?」
と聞く薫子さんには
衝撃の小悪魔発言。
「男の人は女に古臭い手を使われるのが一番効くんだよ」
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス3巻
最初は恋のライバルとして
サエコさんを敵対視していた薫子さんですが、
後半はサエコさんのモテ指南を受けるようになります。
そこでサエコさんの
恋愛における戦略的&合理的視点を聞くのです。
年下の男の子と食事に行った薫子さん。
でも、今のところはそんなに相手に興味がない。
会話をするほど、好きな人(爽太)と比べてしまう。
それを聞いたサエコさんは
「そんなの当たり前ですよー!
すでに好きな人と
これから好きになるかもしれない人の
好き度合いなんて
今同じなわけないじゃないですか!
そして、その“かもしれない”候補は
世の中に何万人も何千万人もいるんですよ!」
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス8巻
さらに
「相手のこと好きになれるかなー」
とウジウジ悩む薫子さんに一喝。
「向こうが脈ナシなら薫子さんにとっても用無しなんですから今は悩む必要ナシ!」
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス8巻
この割り切りよう。
でも、サエコさんの言う通りで
最初から理想通りの人が自分を溺愛してくれる確率なんて
高くないのが当たり前だし
共に時間を過ごしていくうちに
「理想の人」に近づいていくこともある。
そしたら、
入り口の段階で悶々としてても
一生分からないのだから
飛び込んでみなければ分からないんですよね。
5. 行動力がある
・トライ&エラーを実践
・自分の思いに正直
1とかぶりますが、
戦略家であると同時に
その行動っぷりもすごい。
迷いがない。
同じく恋愛に迷える子羊の
まつりちゃん(爽太の妹)にも
曇りなき眼でアドバイス。
「のっかちゃえばいい!
先に進まなきゃ正解か不正解かも確かめられないもん!
若いうちにどんどん失敗しといて未来のために鍛錬積もうよ!」
出典:『失恋ショコラティエ』コミックス8巻
これはサエコさんの実体験で
男を取っ替え引っ替えと言われていたのも
サエコさんの中では
「試してみなきゃ分からない」の精神だったから。
サエコさんがこの漫画の中でたどり着く
結論にも通じるものがありますが
色んな男の人を知って
色んな想いに触れたからこそ
「自分を持つことの大切さ」に気づいたのです。
サエコさんの信念は
「自分がこうしたいと思ったことはとことんやりたい」
ということ。
モテるために相手に媚びて合わせて、
自分を見失うのではなく
自分の信念を持ちつつも
相手が求めていることも叶えてあげる。
作中で爽太のお店に転がり込むシーンがありますが
あれも、サエコさんが人生で後悔しないための
「思い出づくり」だったのではと考えています。
6. マメ&気遣い
・褒める
・気持ちを察して声をかける
サエコさんは相手をよく観察する人なので
薫子さんの新しいバッグにもすぐに気づき、褒めています。
また、爽太のお店にしょっちゅうお買い物にきますが
自分の分だけじゃなくて友人への贈り物として
一緒に買うシーンも何回か出てきます。
さらに、後半はサエコさんによる
恋愛塾が始まるのですが
浮かない表情の薫子さん・まつりちゃんに
気づいて声をかけるのは
いつもサエコさんの方です。
そんな2人にも、
常に明るくポジティブなアドバイスを送り
その後も「どうでしたか?」と
フォローする姿はマメofマメ。
そうやって
自然と人に寄り添えるサエコさんだからこそ
男女問わず近くに人がいるのです。
6つのポイントのおさらいです!
- 夢を見せる
- 信頼を寄せる
- 前向き
- リアリスト
- 行動力がある
- マメ&気遣い
ヒロインとサブヒロインの違い
前述の通り、薫子さんは美人です。サエコさんより美人。
テキパキとして仕事もできるし、
パッケージや商品のアイディアでも
爽太は絶大な信頼を置いています。
でも、爽太が見ているのはサエコさん。
メインヒロインとして求められるサエコさんと
サブヒロインから脱せない薫子さんの違いは何でしょうか?
【サエコさん・薫子さんの違い】
- 自分を大切にしている/自虐的&卑屈
- 相手を観察できる/自分しか見えていない
- 相手の良いところを見れる/人を決めつけて悪口ばかり言う
爽太が、友人えれなの失恋を知り駆けつけようとした時、
「自分のお店の打ち上げをほっぽってセフレに会いにいくの?」と問い詰めます。
事情も知らず、えれなと爽太を否定するような言葉を浴びせる薫子さんに
爽太も反論します。
自分が悪く言われるのはいいけど、
よく知りもしないえれなのことを
勝手に決めつけて悪口を言うのはイヤだと。
えれなもサエコさんも
道行く人でも相手の良いところを見つけて口に出して褒めている、と。
薫子さんはいつも卑屈で自虐的。
また、コミュニケーションを怖がって
相手をよく知らないうちから想像で決めつけて、
勝手に線引きをしてしまう。
これまでの解説にもありましたが、
サエコさんは積極的に関わって
相手の良いところに目を向けて
口に出して、喜ばせる。
でも、自分の意思が中心にあって
自由奔放な振る舞いに
男ゴコロの興味を引き、
「もっと知りたい」と思わせる。
爽太の心から10年以上も
サエコさんが離れないのは、
自分をしっかり持ちつつ
相手にも真正面から向き合って
接してくれるサエコさんだからこそ。
サエコさん名言集
意識的にでも無意識的にでも、人の気を引く努力をしてる人が好かれてるんだと思うんですよね
登山ですよ、登山!いつか目標の山に登山成功するためには他の山にも登ってみる必要があったりもするでしょう?
男の人が「いいなー」と思う女の子なんていっぱいいますよ!薫子さんもその中に入ればいいだけ!
自分さえしっかりしてればどうやってでも生きてけると思うし、あたしは大したことなんにも出来ないけど、自分が「こうしたい!」って思ったことはとことんやりたいんだ
まとめ
いかがでしたか?
サエコさんはモテるけれど、
いわゆるあざとさだけでモテているわけじゃない。
サエコさんは相手をよく観察し、もてなす力がある。
爽太のチョコの大ファンということは前提ですが、
爽太がチョコに全力を注いでいることを知っている。
だから真っ直ぐに褒めるし、具体的な意見も伝える。
そして、スーパーポジティブで行動力がある。
自分を持たずにただ相手に合わせているのではなく、
自分の意思を尊重し、失敗や行動を恐れない。
そんなポジティブさや、先の読めなさが
男性を魅了しているのかもしれません。
おわり。
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